ケン坊のこんな感じ。

キーボーディスト、川村ケンのブログです。

涙味。


一夜明け、

 

・・・首が、ちょっと(笑)。

 

でも、おかげさまで、とても気持ちの良い朝でした。

汗かくのって、やっぱり気持ちよいですねー。

 

昨日は、高円寺という街にあるライブハウスにお邪魔しました。

高円寺、といいますと、昔から友人も結構住んでいたりというのもあるのですが(なぜか非常に多いのですよね、高円寺在住というミュージシャンは)、それでなくとも、僕にとっても思い出深い街なのです。

 

SHADYに入る前。

大学を出て半年ほどした頃でしたが、ふとした縁があり、・・・勿論、チャンスといいますか、

インディーズバンドをやりながら、仕事として音楽をやり始めることが出来ました。

 

「自分が、音楽をやってギャラがもらえるなんて!」

信じられないような気持ちで、飛び込んだ世界。

ただただ、憧れていた、プロのミュージシャンの世界。

 

でもね、最初って、若いですからね、仲間うちでデビューとかで仕事を始めた場合はともかく、

僕はこの時、かなり年上のミュージシャンの方たちと仕事をすることになったのです。

これってね、・・・なかなか大変なことだったんですよ(笑)。

音楽的なレベルは勿論、知識も、経験値も、まったくもって全然違うわけですから。

 

って、お〇さんの苦労話なんてつまらないので(笑)、程ほどにしますが、

まあ、色々ありまして、よくその時のミュージシャンさんたち(その方たちと、仕事もしていましたが、同時に、バンドも組んでいたのです。バンドとしては、デビューにはいたりませんでしたが)と飲んでいたのが、高円寺。

正確に言いますと、クルマで機材を運んでいたので、僕はお酒は飲めず。

いってみれば、お付き合いをさせてもらって、まあ色々とお話を伺う・・・、という感じだったんですね。

 

・・・って、ぶっちゃけてしまえば、よく怒られていたわけですよ(笑)。

まあ、いたらないわけですから、仕方がないのですけれども、

あちらはお酒が入ってるし、こちらは10歳も年下の大学出たての、右も左もわからない、ペーペー中のペーペーですし。

 

ということで、毎晩のように、朝まで厳しいお話を伺い(笑)、

ようやく空が明るんできた頃、

「帰るか」

ということになって、

いつも、その前に立ち寄っていたのが、この、

タロー軒、という、高円寺のはずれにあるラーメン屋さん。

 

24時間営業、立ち食い、メニューは、ラーメンとカレーだけ。

当時は、屋台に毛の生えたような、小さな小さな店構えでした。

飲みが終わるのが、いつも朝4時とか、5時とか。

そんな時間ですから、ラーメン屋さんだって、たいがい閉まってるわけです。

でも、ここだけは、いつだって開いていました。

 

本当に、よく食べました。

 

・・・正直、美味しいわけじゃないんです。

でも、お酒の後に、あったかいラーメンというのは、これはおしなべて、美味しいんですよね。

僕にとっては、「ふう・・・。今日も、やっと帰れるか。」なんて気持ちも、正直ありました。

(教訓:お酒を飲んで、後輩に延々と無理難題を言ったり、クダの無限ループを巻いてはいけません(笑)。それでいて「え?覚えてねえなあ・・・とか、ダメでありますよ(笑)。)

 

まあね、今となっては、完全に笑い話ですし、若かりし日の、いい思い出なのですが。

 

でね、「まさかもう無いだろう」と思っていたお店でしたが、

昨日、たまたま前を通りましたら、あったのですよ。

しかも、屋台じゃなくなって、大きくなってて(扉がある!)。

少しだけ、テーブル席なんかまであって。

 

でも、基本はカウンターでの立ち食いのまま。

そして、メニューも変わらず。

さすがにお値段は上がったのかもしれませんが、さすがにそこまでは、もう覚えていませんねえ・・・。

 

でも、あの朝方のお店の前の道の感じとか、全然覚えてて。

昨日、思わずクルマを停めて、お店に入っちゃったんですよ。

 

そして、当時のように。

「ラーメンと半カレーのセット、一つ」

って頼んで、

 

食べました。

 

 

・・・はい。

あのままの味でした。

やっぱり、美味しくなんて、ないの(笑)。

 

でもでも、

これぞ、思い出の味なのです。

 

ラーメンひとすすりで、

もう、20年以上忘れていた当時のことや、一緒に居た人たちのこと、どんどん思い出されて、

どんな顔して食べたやら。

 でも、無心で食べました。

 

またいつか、行きたいです。

 

あの日、メンバーの人たちに、

「SHADY DOLLSに入りたいので、バンド、辞めさせてください。」

って言ったら

しばらくして、

「お前なあ・・・、俺たちは学校じゃねえんだよ。」

「すみません・・・」

そして、

「やっと少し使い物になってきたと思ったのによ。なあ(笑)」

って。

 

 

そして、

 

「・・・まあ、良かったじゃねえか。しっかり、がんばれ。」

 

そう言って、送り出してくれました。

 

そして、最後に、

 

「川村よ、お前は、俺たちと出来たんだから、・・・他でも大丈夫だよ(笑)」

 

 

タロー軒のラーメンは、僕にとっては、涙味なのですよ。

 

・・・ま、まあ、決して美味しくはないんですけど、

 

よろしかったらー(←あんまり褒めてないけど、ちゃんと勧めてることになるのか(笑)?)。

 

 

ではー。