
渋谷で、凄腕ギタリストさんY本K司さんのソロライブを観せていただいてきました。
Y本K司さんは、僕の師匠でもありますA見さんが昔在籍していたハードロックバンドのリーダーでもあります。また、僕がサポートさせていただいている斉藤光浩さんとは、BOWWOWというバンドでの、言わずと知れた長年の盟友でもあります。世界中にファンを持つ、まさに日本の誇る天才ギタリストの一人と言っても、まず異を唱える人はいないでしょう。僕も、縁あってご挨拶をしたり、時には一緒にご飯を頂けたりするようになりましたが、今だにお会いすると何だかちょっと緊張します(笑)。なんたって、この方もやっぱり「ポスターの中の人」なのですから。
ライブは、最高でした。ご本人は勿論、サポートメンバーも皆さん「よくぞそこまで」というほど、修練に修練を重ねた見事なプレイ。人間って努力すれば凄いことができるんだなぁ、すごいなぁ、なんて思いながら観てました。「天才とは1%の才能と99%の努力」って言ったのは、確か発明家のトーマス・エジソンさんでしたね。
しかしね、今日はさらにちょっと凄いものを観てしまいました。
ライブの中盤、一人の中学生がK司さんに紹介され、ステージ脇に現れたんです。ジーンズとTシャツに赤いチェック柄の長袖のシャツを着た、中学生にしても小柄な少年は、手に二本のスティックを持って客席に向かって、ちょこんとお辞儀をしました。ドラマーが席を譲ると、少年はさして緊張した感じでもなく、淡々とドラムの前に座り、辺りを見回していました。
K司さんの簡単なMCの後、曲が始まりした。ドッ!ひとたび少年がドラムをたたき出すやいなや、観客の皆さんはじめ、僕も「ええ~っ!な、なにそれ?」。曲は、テクニカルなサウンドで知られる、T-スクエアというフュージョンバンドの曲でした(サポートのベーシストが元T-スクエアの方でしたので)。そして、間髪いれず、ドラムソロ。これがまたトンでもない演奏で、僕のアゴはこの時点で床まで落ちていました。手の動きが速過ぎて見えない(笑)。
続いて、今度はY本さんのソロの曲の中でも激しい掛け合いのある難しい曲。この曲で、他のメンバーの音をちゃんと聴いていることも良く分かり(これは上級者の一つの証でもあるんですよ)、その上遊び心まで加えた、これまた素晴らしいドラミングを聞かせてくれました。それも、なんとリハーサルは今日の本番前にたった一度きりだった、と言います。大人のミュージシャンでも、パッとやれと言われて、なかなかあそこまでテクニカルなことが出来る人はそうそう居ないのでは、という位のもの凄いハイレベルなテクニック。しかも終始、淡々と、まるで、やり慣れたテレビゲームの一面あたりでもプレイしている時のような表情で、軽々と(笑)。いやー、ほんっとうにビックリしました。勿論観客の皆さんも、溜め息と賞賛の入り混じった、大拍手。
あとで彼を良く知った関係者の方に聞きましたら、6年生の時からドラムを始めたばっかりなのだそうです。なので、まだ3年程度。ただ、それまでもドラムの音が好きで、曲に合わせてよく膝を叩いて遊んでいたとは言ってましたが、それにしても、物事(楽器に限らずね)にはそこそこ基本とか、手順とかがあると思うので、彼はそれを、普通の子供の何倍もの凄い速さで習得してしまったんでしょうね。これからどうなるのか、ちょっと怖いくらい・・・、楽しみです。いやー、まさに、天才少年でした。帰りしな、僕の横を通った彼は、袋抱えてボリボリお菓子食べてました。そうしてると、まったくもって普通の子供(笑)。
そして、その少年は一体誰なんだと言いますと、実はギタリストY本K司さんの・・・実の息子さんなんです。天才からしか天才が生まれないのであれば、天才の数が限られてしまうし、歴史を見れば、決してそんなこと無い例もたっくさんあると思うので、いわゆるサラブレッド理論みたいのはあんまり良しとしたくないのですが、それでも、今日ばかりは・・・やっぱりカエルの子はカエル・・・あれっ?この例え、なんかヘンですよね(笑)。なんて言うんですかね、こういう場合は(笑)?
写真は(わけあって加工)、偶然会場で会った15年来の古い友人、イギリス人ジャーナリストのF氏です。決して「変なおじさん」ではありません(写真がね(笑))。音楽が大好きで、昔、よく僕のライブも見に来てくれてたりしてて、当時しょっちゅう一緒に飲んでたんですよ。また今度ゆっくり飲みましょう、と記念に一枚。
さて、明日は名古屋です。なので、今夜はぷしゅはそこそこにして、早めに寝ないとね。しかし、今日は沢山天才見ちゃったからなー(だからなんだ(笑))。
ではー。