
昨夜、あのカスタムC3を僕の家の、仕事部屋に搬入したんです。
安全地帯さんの現場でお世話になっているローディー会社から3名、そして、ヴィンテージ楽器には目が無いエージさん、そして、僕の20年来の友人であります、京都出身の金髪長髪Mも手伝いに来てくれました。
とにもかくにも、130kg。しかも、アクリルボディはねじれやたわみにも要注意ということで、巨大なフライトケースのまま、部屋まで運び入れることに。
フライトケースというのは、楽器を入れるハードケースの中でも、特にプロ仕様のもので、ツアーなどでトラックや船、飛行機で運んだりしても中の楽器を守れる、強靭なケースのことです。
こういうケースになると、ケースだけでも二人、三人がかりで持ち上げなくてはならないというほど、重いのですが、その中に130kgのオルガンが入っているのですから・・・単に「家にもって帰るね!」というだけでも、これだけの人数が必要になるのです。
現に、安全地帯さんの国内ツアーの最後4本では、それまで一人で悠々と持ち上がっていたXK-3cと違って、6人でスタンドに乗せていたそうなのです。
一人、二人では、びくともしない、という(笑)。
なので、部屋に入れるにしても、もうあとから自分でちょっと動かす、なんてこともできないわけで、色々と計算して、万全の準備をして迎え入れまして、どうにか深夜前に、「できたねー、入ったねー」となって、ラーメンを食べに行ったわけです。
初めてジョンロードのハモンドオルガンを聴いたのが、15歳、高校一年生の春。バンドを始めて、一曲目にコピーした曲が、ディープ・パープルのライブ・イン・ジャパン(海外では「メイド・イン・ジャパン」と呼ばれています)・バージョンの「Highway Star」。この2分12秒あたりからのソロを、もう、何日もずーっと、時には、一晩中とか、毎日、ひたすら弾いて、ひたすら覚えてね。もう、ミスタッチとかまで、「そういうものだ」と思って、完全に(笑)。
でも、音は全然違うわけですよ。彼(ジョン・ロード)が使っていたのは、本物のハモンドC3。僕のは、コルグのかるーい49鍵のシンセ、POLY-800。これが、僕のファースト・シンセでした(笑)。
でもね、とにかく、弾けるようになりたくて。音はなんとなく、似せて(・・・全然似てなかったと思うんですけど、でも(笑))。
あれから、27年。
とうとう昨夜から、僕は自分の部屋で、こんどこそジョン・ロードと同じ音で、心おきなく、あのソロを弾けるわけです。
(・・・いや、まあ厳密にはこの頃のジョン・ロードは、オルガン用のスピーカーとして、あの回転するレスリー・スピーカーではなくて、マーシャル・アンプでハモンドを鳴らしていたので、ちょっと違うんですが(笑))
・・・泣ける(笑)。
というわけで、もうちょっとだけ、自慢しちゃいたい。ってか、見せたい。見てもらいたいの(笑)。
トップの写真でおわかりのように、ちゃんと、No.77617というプレートも移植されています。
ボディは2010年仕様、しかし、中身は1959年仕様。

このカスタムC3、デザイン上の、僕の一番のこだわりであり、一番のお気に入りのポイントは、この側板の滑らかなカーブなんです。
これは、僕が最初から「どうしても!」とお願いしていた部分。
本当に満足のいく仕上がりにしていただきました。
後ろから見るとね、

こんな感じ。本当に、オールアクリル。オール・スケルトン。LEDの光がアクリルをまわって、全体がこうやって光るんです。
もっと近づいてみますと、

中の配線がよく見えます。この配線、一本、一本、すべて、Voyagerさんの手作業なんですよ。
素晴らしい手仕事、そして、最高に、キレイでしょう。

これが、ハモンドの音色の核となる、トーン・ホイールを動かすモーターです。右下をご覧になってください。これは、ガソリンタンクでして、ここに定期的にガソリンを入れて、これでモーターをまわして動くんです。
・・・あ、ウソです(笑)。完全に電気で動きます。

ドローバーを照らす、ブルーのLED。スケルトンなので、ドローバーの中まで、よく分ります。

このネームは、昨日、搬入後に付けました(正確にはエージさんにつけて貰いました(笑))。
本来なら見えない位置ですが、アクリルボディだから見える、というところがミソなんですよー。
そして、
なんといってもこのカスタムC3は、
暗闇で見ると、その個性といいますか、特殊性が際立つんです。
ほうら、
こんな感じ。

乗せているスタンドは闇に隠れ、C3だけが、まるで宙に浮いているように見えるんです。
厚見さんやエージさんは、僕のこのC3を、いつからか
「海月」
と、呼んでくれています(読みは「クラゲ」です)
うん、
KURAGE
漢字もアルファベットも、ニックネームとして、わるくないかも。
まだ少し先になりますが、この「海月(KURAGE)」の制作秘話をまとめた特設サイトを、Voyagerさんの全面協力によって、エージさんが制作してくださることになりました。
皆様、どうぞお楽しみにです。
あのエージさんの手にかかるわけですから、面白くて、僕なんか以上に、
・・・ものすごーーーく、マニアックなサイトになると思いますが(笑)。
めちゃめちゃ楽しみです。沢山の写真や、Voyagerさんの作ってくれた驚愕の設計図面に混じって、
・・・僕の書いた、最初のオリジナルデザイン画なども掲載予定です(笑)。
ではー。